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Hermes Agent クイックスタート

目次

このガイドは、ゼロの状態から実用に耐える Hermes 環境までを一気に立ち上げるためのものです。インストールし、プロバイダーを選び、チャットが動くことを確かめ、うまくいかないときに何をすればいいかまで押さえます。

動画で見たい方へ

Onchain AI Garage が、インストール・セットアップ・基本コマンドをひと通りたどるマスタークラス動画を公開しています。動画を見ながら進めたい方には、このページの良い相棒になります。ほかの動画は Hermes Agent Tutorials & Use Cases のプレイリストにまとまっています。

YouTube: https://www.youtube-nocookie.com/embed/R3YOGfTBcQg

こんな方に

  • まったくの初めてで、動く状態までの最短ルートを知りたい
  • プロバイダーを乗り換えるところで、設定ミスに時間を取られたくない
  • チーム用・ボット用・常時稼働の用途で Hermes を用意したい
  • 「入ったはいいが、何も起きない」状態にうんざりしている

いちばん速い進め方

目的に合う行を選んでください。

目的 まずこれ 次にこれ
とにかく自分の端末で Hermes を動かしたい hermes setup 実際にチャットして、返事が返ることを確かめる
使うプロバイダーはもう決まっている hermes model 設定を保存して、チャットを始める
ボットや常時稼働の構成にしたい CLI が動いてから hermes gateway setup Telegram、Discord、Slack などのプラットフォームにつなぐ
ローカルまたは自前ホストのモデルを使いたい hermes model → カスタムエンドポイント エンドポイント、モデル名、コンテキスト長を確認する
複数プロバイダーのフォールバックを組みたい まず hermes model 素のチャットが動いてから、ルーティングとフォールバックを足す

目安: Hermes が普通のチャットすらこなせない状態なら、まだ機能を足さないでください。まずきれいな会話をひとつ成立させ、そのうえでゲートウェイ、cron、スキル、音声、ルーティングを重ねていきます。


1. Hermes Agent をインストールする

コマンドラインとデスクトップの両方を手軽に入れるなら、公式サイトから Hermes Desktop インストーラーをダウンロードして実行してください。

Hermes Desktop を使わない場合

Hermes Desktop なしで、コマンドラインだけを入れる場合は次を実行します。

Linux / macOS / WSL2 / Android(Termux)

curl -fsSL https://hermes-agent.nousresearch.com/install.sh | bash

Windows(ネイティブ)

PowerShell で実行します。

iex (irm https://hermes-agent.nousresearch.com/install.ps1) 

完了したら、シェルを読み込み直します。

source ~/.bashrc   # or source ~/.zshrc

インストールの詳しい選択肢、前提条件、トラブル対応は インストールガイド にあります。

2. プロバイダーを選ぶ

セットアップで最も重要な工程です。hermes model を実行すると、対話形式で選んでいけます。

hermes model

無難な選択肢は次のとおりです。

プロバイダー どんなものか 設定方法
Nous Portal サブスクリプション型。設定不要 hermes model から OAuth ログイン
OpenAI Codex ChatGPT または Codex のサブスクリプション。Codex のモデルを使う hermes modelChatGPT or Codex Subscription でデバイスコード認証
Anthropic Claude のモデルを直接利用。Max プラン+追加クレジット(OAuth)か、従量課金の API キー hermes model → OAuth ログイン(Max +追加クレジットが必要)、または Anthropic の API キー
OpenRouter 多数のモデルをまたぐマルチプロバイダールーティング API キーを入力
Fireworks AI OpenAI 互換のモデル API を直接利用 FIREWORKS_API_KEY を設定
Z.AI GLM / Zhipu がホストするモデル GLM_API_KEY / ZAI_API_KEY を設定(Z_AI_API_KEY も可)
Kimi / Moonshot Moonshot がホストするコーディング・チャット向けモデル KIMI_API_KEY を設定(Kimi Coding 専用の KIMI_CODING_API_KEY も可)
Kimi / Moonshot China 中国リージョンの Moonshot エンドポイント KIMI_CN_API_KEY を設定
Arcee AI Trinity のモデル ARCEEAI_API_KEY を設定
GMI Cloud 複数モデルを直接叩く API GMI_API_KEY を設定
Actual Computer 手元のハードウェアを専用の推論クラスターとして使う。ホスト型リレーかローカルデーモン ACTUAL_API_KEY(リレー)または ACTUAL_BASE_URL=http://127.0.0.1:8080(ローカル、キー不要)を設定
MiniMax (OAuth) ブラウザ OAuth で MiniMax のフロンティアモデルを使う。API キー不要(hermes_cli/models.py のモデル名はリリースごとに変わることがあります) hermes model → MiniMax (OAuth)
MiniMax 国際版の MiniMax エンドポイント MINIMAX_API_KEY を設定
MiniMax China 中国リージョンの MiniMax エンドポイント MINIMAX_CN_API_KEY を設定
Alibaba Cloud DashScope 経由の Qwen モデル DASHSCOPE_API_KEY を設定(Qwen Coding Plan は ALIBABA_CODING_PLAN_API_KEY も可)
Hugging Face 統合ルーター経由で 20 以上のオープンモデル(Qwen、DeepSeek、Kimi など) HF_TOKEN を設定
AWS Bedrock ネイティブの Converse API 経由で Claude、Nova、Llama、DeepSeek IAM ロールまたは aws configureガイド
Azure Foundry Azure AI Foundry がホストするモデル AZURE_FOUNDRY_API_KEYAZURE_FOUNDRY_BASE_URL を設定
Google AI Studio 直接 API 経由の Gemini モデル GOOGLE_API_KEY / GEMINI_API_KEY を設定
xAI 直接 API 経由の Grok モデル XAI_API_KEY を設定
xAI Grok OAuth SuperGrok / Premium+ のサブスクリプション。API キー不要 hermes model → xAI Grok OAuth
NovitaAI 複数モデルの API ゲートウェイ NOVITA_API_KEY を設定
Ramp Router OpenAI / Anthropic / xAI などをまたぐ Responses ネイティブの LLM ゲートウェイ RAMP_ROUTER_API_KEY を設定
Nebius Token Factory Nebius AI クラウド上のオープンモデル NEBIUS_API_KEY を設定
StepFun Step Plan のモデル STEPFUN_API_KEY を設定
Xiaomi MiMo Xiaomi がホストするモデル XIAOMI_API_KEY を設定
Tencent TokenHub Tencent がホストするモデル TOKENHUB_API_KEY を設定
Tencent TokenPlan Anthropic 形式のエンドポイント経由で Tencent Hy のモデル TOKENPLAN_API_KEY を設定
Ollama Cloud マネージドの Ollama ホスト型モデル OLLAMA_API_KEY を設定
LM Studio OpenAI 互換 API を公開するローカルのデスクトップアプリ LM_API_KEY を設定(既定以外なら LM_BASE_URL も)
Qwen OAuth Qwen Portal のブラウザ OAuth。API キー不要 hermes model → Qwen OAuth
Kilo Code KiloCode がホストするモデル KILOCODE_API_KEY を設定
OpenCode Zen 厳選されたモデルへの従量課金アクセス OPENCODE_ZEN_API_KEY を設定
OpenCode Go オープンモデル向けの月額 10 ドルのサブスクリプション OPENCODE_GO_API_KEY を設定
DeepSeek DeepSeek API への直接アクセス DEEPSEEK_API_KEY を設定
NVIDIA NIM build.nvidia.com またはローカル NIM 経由の Nemotron モデル NVIDIA_API_KEY を設定(任意で NVIDIA_BASE_URL
GitHub Copilot GitHub Copilot のサブスクリプション(GPT-5.x、Claude、Gemini など) hermes model からの OAuth、または COPILOT_GITHUB_TOKEN / GH_TOKEN
GitHub Copilot ACP Copilot の ACP エージェントバックエンド(ローカルの copilot CLI を起動) hermes modelcopilot CLI と copilot login が必要)
Vercel AI Gateway Vercel AI Gateway によるルーティング AI_GATEWAY_API_KEY を設定
Custom Endpoint VLLM、SGLang、Ollama など、OpenAI 互換の API 全般 ベース URL と API キーを設定

初めての方はたいてい、プロバイダーを選んだら、変える理由がはっきりしない限り既定値のままで問題ありません。環境変数と設定手順を含むプロバイダーの全一覧は プロバイダー のページにあります。

設定の保存先

Hermes は秘密情報と通常の設定を分けて保存します。

  • 秘密情報とトークン~/.hermes/.env
  • 秘密でない設定~/.hermes/config.yaml

値を正しく設定するいちばん確実な方法は CLI を使うことです。

hermes config set model anthropic/claude-opus-4.6
hermes config set terminal.backend docker
hermes config set OPENROUTER_API_KEY sk-or-...

適切な値が、自動的に適切なファイルへ振り分けられます。

3. 最初のチャットを動かす

hermes            # classic CLI
hermes --tui      # modern TUI (recommended)

モデル、使えるツール、スキルが並んだウェルカムバナーが表示されます。結果を確かめやすい、具体的なプロンプトを投げてみてください。

Summarize this repo in 5 bullets and tell me what the main entrypoint is.
Check my current directory and tell me what looks like the main project file.
Help me set up a clean GitHub PR workflow for this codebase.

うまくいっているときの状態:

  • バナーに、選んだモデルとプロバイダーが表示される
  • Hermes がエラーなく返事をする
  • 必要に応じてツール(ターミナル、ファイル読み取り、Web 検索)を使える
  • 会話が1往復で終わらず、そのまま続けられる

ここまで動けば、いちばん難しいところは越えています。

4. セッションが動くことを確かめる

先へ進む前に、再開が効くことを確認しておきます。

hermes --continue    # Resume the most recent session
hermes -c            # Short form

これで、いま話していたセッションに戻れるはずです。戻れない場合は、同じプロファイルにいるか、セッションが実際に保存されたかを確認してください。ここは、あとで複数の構成や複数の端末を使い分けるときに効いてきます。

5. 主な機能を試す

ターミナルを使う

❯ What's my disk usage? Show the top 5 largest directories.

エージェントが代わりにターミナルのコマンドを実行し、結果を見せてくれます。

スラッシュコマンド

/ と打つと、全コマンドの入力補完が出てきます。

コマンド 何をするか
/help 使えるコマンドをすべて表示する
/tools 使えるツールを一覧する
/model 対話形式でモデルを切り替える
/personality pirate 遊び心のある人格を試す
/save 会話を保存する

複数行の入力

Alt+EnterCtrl+JShift+Enter のいずれかで改行を入れられます。Shift+Enter は、その組み合わせを独立したシーケンスとして送るターミナルが必要です(Kitty / foot / WezTerm / Ghostty は既定で対応、iTerm2 / Alacritty / VS Code のターミナルは Kitty キーボードプロトコルを有効にすれば対応)。Alt+EnterCtrl+J はどのターミナルでも使えます。

エージェントを止める

エージェントの処理が長すぎると感じたら、新しいメッセージを打って Enter を押してください。いまの作業を中断して、新しい指示に切り替わります。Ctrl+C でも止まります。

6. 次の層を足す

素のチャットが動いてからにしてください。必要なものを選びます。

ボットや共有アシスタント

hermes gateway setup    # Interactive platform configuration

TelegramDiscordSlackWhatsAppSignalメールHome AssistantMicrosoft Teams につなげます。

自動化とツール

  • hermes tools — プラットフォームごとにツールの利用範囲を調整する
  • hermes skills — 再利用できる手順を探して入れる
  • Cron — ボットや CLI の構成が安定してからにする

サンドボックス化したターミナル

安全のため、エージェントを Docker コンテナやリモートサーバー上で動かせます。

hermes config set terminal.backend docker    # Docker isolation
hermes config set terminal.backend ssh       # Remote server

Docker のサンドボックスでは、送信時に認証情報を差し込むプロキシ を有効にして、サンドボックス側に本物の API キーを一切見せない構成もとれます。渡るのは、ローカルの TLS 傍受デーモンの背後でしか通用しない不透明なプロキシトークンだけです。送信プロキシ を参照してください。用意するには hermes egress setup && hermes egress start を実行します。hermes setup terminal も Docker 利用者にこの機能を案内します。Modal、SSH、Daytona、Singularity はまだ未対応です。

音声モード

# From the Hermes install directory (the curl installer placed it at
# ~/.hermes/hermes-agent on Linux/macOS or %LOCALAPPDATA%\hermes\hermes-agent on Windows):
cd ~/.hermes/hermes-agent
uv pip install --python ./venv/bin/python -e ".[voice]"
# Includes faster-whisper for free local speech-to-text

そのうえで CLI から /voice on を実行します。録音は Ctrl+B です。音声モード を参照してください。

スキル

スキルとは、特定の作業のやり方を Hermes に教える、必要なときだけ読み込まれる手順書です。Kubernetes へのデプロイ、GitHub の PR 作成、モデルのファインチューニング、GIF 検索といった具合です。実体は SKILL.md というファイルで、名前・説明・手順が書かれています。エージェントは短い説明だけを常に把握しておき、実際に必要になったときにはじめて全文を読み込むので、スキルを増やしても毎回のリクエストが重くなることはありません。

Hermes には、あらかじめ ~/.hermes/skills/ に入った一群のスキルが同梱されています。Skills Hub から追加することも、自分で書くこともできます。

ハブを見て導入する:

hermes skills browse                      # list everything available
hermes skills search kubernetes           # find skills by keyword
hermes skills install openai/skills/k8s   # install one (runs a security scan first)

install に渡すのは、ハブ上の source/path 形式のスラッグです。openai/skills/k8s なら、OpenAI のカタログにある k8s スキルを指します。使えるスラッグは hermes skills browse で確認できます。

スキルを使う — 導入したスキルは、自動的にスラッシュコマンドになります。

/k8s deploy the staging manifest          # run the skill with a request
/k8s                                       # load it and let Hermes ask what you need

これは CLI でも、つないだメッセージングのプラットフォームでも同じように使えます。最初から全部入れておく必要はありません。普通に会話しているなかで作業内容が合致すれば、エージェントが同梱スキルから適切なものを自分で選びます。

自作の方法、外部のスキルディレクトリ、ハブの全ソース一覧は スキルシステム にあります。

MCP サーバー

# Add to ~/.hermes/config.yaml
mcp_servers:
  github:
    command: npx
    args: ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"]
    env:
      GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN: "ghp_xxx"

エディタ連携(ACP)

ACP 対応は標準の [all] エクストラに含まれているので、curl のインストーラーを使ったなら既に入っています。次を実行するだけです。

hermes acp

[all] なしで入れた場合は、先に cd ~/.hermes/hermes-agent && uv pip install -e ".[acp]" を実行してください。)

ACP エディタ連携 を参照してください。


よくあるつまずき方

いちばん時間を溶かしがちなのは、次のような問題です。

症状 考えられる原因 対処
Hermes は起動するが、返事が空だったり壊れていたりする プロバイダーの認証かモデル選択が間違っている もう一度 hermes model を実行して、プロバイダー・モデル・認証を確認する
カスタムエンドポイントは「動く」が、返ってくる内容が意味不明 ベース URL かモデル名が違う、あるいは実際には OpenAI 互換ではない まず別のクライアントでエンドポイントを確かめる
ゲートウェイは起動するが、誰もメッセージを送れない ボットトークン、許可リスト、プラットフォーム側の設定が途中で止まっている hermes gateway setup をやり直し、hermes gateway status を確認する
hermes --continue が前のセッションを見つけられない プロファイルを切り替えた、あるいはセッションが保存されていない hermes sessions list を確認し、正しいプロファイルにいるか確かめる
モデルが使えない、フォールバックの挙動がおかしい プロバイダーのルーティングやフォールバックの設定が効きすぎている 基本のプロバイダーが安定するまで、ルーティングは切っておく
hermes doctor が設定の問題を指摘する 設定値が欠けている、または古い 設定を直し、機能を足す前に素のチャットで再確認する

立て直しの手順

どうも様子がおかしいときは、この順で試してください。

  1. hermes doctor
  2. hermes model
  3. hermes setup
  4. hermes sessions list
  5. hermes --continue
  6. hermes gateway status

この流れをたどれば、「なんだか壊れている」状態から、把握できている状態まで手早く戻れます。


早見表

コマンド 説明
hermes チャットを始める
hermes model LLM のプロバイダーとモデルを選ぶ
hermes tools プラットフォームごとに有効なツールを設定する
hermes setup セットアップウィザード一式(まとめて設定する)
hermes doctor 問題を診断する
hermes update 最新版に更新する
hermes gateway メッセージングのゲートウェイを起動する
hermes --continue 直前のセッションを再開する

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