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Nous Portal

目次

Nous Portal は Nous Research が提供する契約の統合窓口で、Hermes Agent を動かすうえで推奨される方法です。OAuth で一度ログインすれば、モデルの開発元・検索 API・画像生成・ブラウザ提供元ごとに別々のアカウントと API キーと支払いを抱える手間が、まるごと不要になります。

ひとつだけ設定する時間しかないなら、これにしてください。いちばん早い手順はこうです。

hermes setup --portal

このコマンドひとつで、Portal の OAuth が走り、Nous のモデルを選び、config.yaml の推論プロバイダーを Nous に設定し、Tool Gateway を有効にするところまで終わります。直後にそのまま hermes chat を始められます。

まだ契約していない場合は portal.nousresearch.com/manage-subscription で申し込み、戻ってきて上のコマンドを実行してください。

契約に含まれるもの

300 以上のフロンティアモデルを、ひとつの請求で

Portal は業界各所から選び抜いたエージェント向けモデルを中継します。開発元ごとに残高を持つのではなく、Nous の契約にまとめて請求されます。

系統 モデル
Anthropic Claude Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6、Haiku 4.5
OpenAI GPT-5.5、GPT-5.5 Pro、GPT-5.4 Mini、GPT-5.4 Nano、GPT-5.3 Codex
Google Gemini Gemini 3 Pro Preview、Gemini 3 Flash Preview、Gemini 3.1 Pro Preview、Gemini 3.1 Flash Lite Preview
DeepSeek DeepSeek V4 Pro
Qwen Qwen3.7-Max、Qwen3.6-35B-A3B
Kimi / Moonshot Kimi K2.6
GLM / Zhipu GLM-5.1
MiniMax MiniMax M2.7
xAI Grok 4.3
NVIDIA Nemotron-3 Super 120B-A12B
Tencent Hunyuan 3 Preview
Xiaomi MiMo V2.5 Pro
StepFun Step 3.5 Flash
Hermes Hermes-4-70B、Hermes-4-405B(チャット向け。後述の注意を参照)
+ そのほかすべて 280 以上のモデル。エージェント分野の最前線がひととおり揃っています

内部では、Portal がモデルごとに最適なバックエンドへ振り分けています。OpenRouter を経由するモデルもあれば、独自の提供元や二次的な提供元を通るモデルもあり、あるモデルの振り分け先は時期によって変わることもあります。どの経路でも請求先は Nous の契約です。セッションの途中で /model を打てば、コードには Claude Sonnet 4.6、長い文脈には Gemini 3 Pro、といった具合に切り替えられます。認証情報の追加も、残高の入金も、突然の残高ゼロエラーもありません。

Nous Tool Gateway

同じ契約で Tool Gateway も使えるようになります。これは Hermes Agent のツール呼び出しを Nous が運用する基盤経由で処理する仕組みです。5 つのバックエンドが、ログイン 1 回でまとまります。

ツール 提供元 できること
ウェブ検索と本文抽出 Firecrawl エージェント向けの検索と、ページ全文の抽出。Firecrawl の API キーも、利用制限の見張りも要りません。
画像生成 FAL ひとつの窓口で 9 つのモデル。FLUX 2 Klein 9B、FLUX 2 Pro、Z-Image Turbo、Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)、GPT Image 1.5、GPT Image 2、Ideogram V3、Recraft V4 Pro、Qwen Image。
音声合成 OpenAI TTS OpenAI のキーを別に用意せずに、質の高い音声合成が使えます。各メッセージングプラットフォームでの 音声モード が有効になります。
クラウドのブラウザ操作 Browser Use browser_navigatebrowser_clickbrowser_typebrowser_vision のための、画面を出さない Chromium のセッション。Browserbase のアカウントは要りません。
クラウドのターミナル環境 Modal コード実行のためのサーバーレスなターミナル環境(追加オプション)。

このゲートウェイがないと、Firecrawl のアカウント、FAL のアカウント、Browser Use のアカウント、OpenAI のキー、Modal のアカウントを、それぞれ用意することになります。登録が 5 回、管理画面が 5 つ、入金の手続きが 5 通りです。ゲートウェイを使えば、そのすべてがひとつの契約を通ります。

ゲートウェイのツールを一部だけ有効にすることもできます(たとえばウェブ検索は使い、画像生成は使わない)。後述の ゲートウェイと自前のバックエンドを混ぜる を参照してください。

設定ファイルに認証情報を残さない

すべてが OAuth で認証された Portal のセッションを通るので、長く使い回す API キーが .env に何本もたまることがありません。ディスク上に置かれる認証情報は ~/.hermes/auth.json のリフレッシュトークンだけで、Hermes はそこからリクエストごとに寿命の短い JWT を発行します。後述の トークンの扱い を参照してください。

どの OS でも同じ使い勝手

Windows ネイティブ では、ツールごとに API キーを用意する作業がいちばんの難所です。Firecrawl のアカウント、FAL のアカウント、Browser Use のアカウント、OpenAI のキーを Windows から揃えるのは、使えるエージェントに仕上げるまでで最も骨が折れます。Portal の契約はそこをならしてくれます。OAuth ひとつでモデルもゲートウェイのツールも賄えるので、Windows でも 4 つのバックエンドを手作業で設定することなく、macOS や Linux と同じ体験になります。

Hermes 4 についての注意

Nous Research 自身の Hermes 4 系(Hermes-4-70B、Hermes-4-405B)は、Portal から大幅に安い価格で使えます。これらは推論も併せ持つ最前線のチャットモデルで、数学、科学、指示の遵守、決められた形式での出力、ロールプレイ、長文の執筆に強みがあります。

ただし、Hermes Agent の中で使うことは推奨されていません。Hermes 4 はチャットと推論に向けて調整されており、エージェントが頼りにする、次々とツールを呼び出していく動き方には向いていません。研究のような使い方や、契約プロキシ を通してほかのツールから使うのが向いています。エージェントとして働かせるなら、カタログの中から最前線のエージェント向けモデルを選んでください。

/model anthropic/claude-sonnet-4.6     # best general-purpose agentic model
/model openai/gpt-5.5-pro              # strong reasoning + tool calling
/model google/gemini-3-pro-preview     # huge context window
/model deepseek/deepseek-v4-pro        # cost-effective coder

Portal 自身の モデル情報ページ にも同じ注意が載っています。つまりこれは Hermes 側の見解ではなく、Nous Research の公式な案内です。

設定

新規に入れる場合 — コマンドひとつ

hermes setup --portal

これで、次の流れが一気に終わります。

  1. ブラウザで portal.nousresearch.com を開き、OAuth でログインします
  2. リフレッシュトークンを ~/.hermes/auth.json に保存します
  3. 用意されたモデルの一覧から Nous のモデルを選びます(今のままにしたければ飛ばせます)
  4. ~/.hermes/config.yaml の推論プロバイダーを Nous に設定します(モデルを選んだ場合)
  5. Tool Gateway(ウェブ、画像、音声合成、ブラウザの振り分け)を有効にします
  6. hermes chat をすぐ始められる状態で、ターミナルに戻ります

まだ契約していない場合は、先に portal.nousresearch.com/manage-subscription で申し込んでください。

すでに使っている場合 — 既存のプロバイダーに Portal を足す

OpenRouter や Anthropic など、すでに何らかのプロバイダーで Hermes を設定していて、そこへ Portal を加えたい場合はこうします。

hermes model
# pick "Nous Portal" from the provider list
# browser opens, sign in, done

いま使っているプロバイダーの設定はそのまま残ります。セッション中は /model、セッションの合間は hermes model で切り替えられます。Portal は選べるプロバイダーのひとつになるだけで、唯一の選択肢になるわけではありません。

画面のない環境・SSH 越し・遠隔のホストでの設定

OAuth にはブラウザが要りますが、ログイン後に戻ってくる先は Hermes を動かしている端末です。遠隔のホストについては SSH 越しの OAuth と遠隔ホスト を参照してください。ほかの OAuth 方式のプロバイダーと同じ手口(ssh -L によるポート転送)がそのまま使えます。

プロファイルでの設定

Hermes のプロファイル を使っている場合、Portal のリフレッシュトークンは共有のトークン保管場所を通じて、すべてのプロファイルで自動的に共有されます。どれかひとつのプロファイルでログインすれば、ほかも自動的に引き継ぐので、プロファイルごとに OAuth をやり直す必要はありません。

Portal を日々使う

何がつながっているかを確かめる

hermes portal            # log in to Nous Portal + set it up (one-shot onboarding)
hermes portal info       # login status, subscription info, model + gateway routing
hermes portal status     # alias for `portal info`
hermes portal tools      # detailed Tool Gateway catalog with per-tool routing
hermes portal open       # open the subscription management page in your browser

サブコマンドなしの hermes portal は、hermes auth add nous --type oauth を人にわかりやすく言い換えたものです。ログインし、Nous のモデルを選ばせ、推論プロバイダーを Nous に設定し、Tool Gateway を使うかどうかを尋ねます(hermes setup --portal と同じ内容で、初回の簡易設定で通る Nous の流れとも同じです)。

hermes portal info は全体像を見せてくれます。

  Nous Portal
  ───────────
  Auth:    ✓ logged in
  Portal:  https://portal.nousresearch.com
  Model:   ✓ using Nous as inference provider

  Tool Gateway
  ────────────
  Web search & extract  via Nous Portal
  Image generation      via Nous Portal
  Text-to-speech        via Nous Portal
  Browser automation    via Nous Portal
  Cloud terminal        not configured

モデルを切り替える

セッションの中で切り替えるなら、こうします。

/model anthropic/claude-sonnet-4.6
/model openai/gpt-5.5-pro
/model google/gemini-3-pro-preview

選択画面を開くこともできます。

/model
# arrow keys, enter to select

セッションの外から変えるなら、設定ウィザードを使います(新しいプロバイダーを足すときに便利です)。

hermes model

ゲートウェイと自前のバックエンドを混ぜる

たとえば Browserbase のアカウントをすでに持っていて、それは使い続けたまま、ウェブ検索と画像生成だけ Nous を通したい、という使い方もできます。hermes tools でツールごとにバックエンドを選んでください。

hermes tools
# → Web search       → "Nous Subscription"
# → Image generation → "Nous Subscription"
# → Browser          → "Browserbase"  (your existing key)
# → TTS              → "Nous Subscription"

Tool Gateway はツール単位で選ぶものであり、全部か無かではありません。Nous Portal にログインしているかどうかにかかわらず、これらのバックエンドは hermes tools に出てきます。認証前に「Nous Subscription」を選んだ場合は、その場で Portal のログインが走ります(推論プロバイダーが変わったり、ほかのツールの設定が書き換わったりはしません)。ツールごとの設定の全体像は Tool Gateway のドキュメント を参照してください。

契約の管理

プランの変更、使用量の確認、アップグレードや解約は、いつでもここからできます。

設定の一覧

hermes setup --portal を実行したあと、~/.hermes/config.yaml はこうなります。

model:
  provider: nous
  default: anthropic/claude-sonnet-4.6     # or whatever model you picked
  base_url: https://inference-api.nousresearch.com/v1

Tool Gateway の設定は、それぞれのツールの節に入ります。分野ごとに選択用のキーがひとつあり、hermes tools(あるいは hermes setup --portal)で Nous Subscription を選ぶと、値として nous が書き込まれます。

web:
  backend: nous          # web search/extract routes through Tool Gateway

image_gen:
  provider: nous

tts:
  provider: nous

browser:
  cloud_provider: nous

実行時は常に保存された選択に従います。ある分野が nous になっている間は、.env に残った直接の API キーは無視されます。また、直接のプロバイダー(たとえば image_gen.provider: fal)をキーなしで選ぶと、黙ってゲートウェイに回されるのではなく、はっきりしたエラーが出ます。(古い設定では use_gateway: true という旧来のフラグが使われていました。これは nous と同じ意味として読まれますが、新しく書き込まれることはありません。)

OAuth のリフレッシュトークンは ~/.hermes/auth.json に分けて保存されます(config.yaml には入りません。認証情報と設定は意図的に分けてあります)。

トークンの扱い

Hermes は、長く使い回す API キーを持ち歩くのではなく、保存された Portal のリフレッシュトークンから推論のたびに寿命の短い JWT を発行します。更新、発行、一時的な 401 での再試行まで完全に自動で行われ、その存在を意識することはありません。

Portal 側でリフレッシュトークンが無効にされた場合(パスワード変更、手動での失効、セッションの期限切れ)、無効なトークンは手元で隔離され、Hermes がそれを送り続けて同じ 401 が延々と返る状態になりません。次の呼び出しで「再認証が必要です」というはっきりしたメッセージが出ます。hermes auth add nous でログインし直すと、次に成功した時点で隔離は解けます。

困ったときは

hermes portal info が「not logged in」と表示する

OAuth の手続きが終わっていないか、リフレッシュトークンが消えています。これを実行してください。

hermes portal

あるいは hermes model を使って、Nous Portal を選び直します。

セッションの途中で「re-authentication required」と出た

Portal のリフレッシュトークンが無効になっています(パスワード変更、手動での失効、セッションの期限切れ)。hermes auth add nous を実行すれば、次のリクエストから新しい認証情報が使われます。古いトークンにかかっていた隔離は、ログインに成功した時点で自動的に解けます。

Portal に出てこない特定のモデルを使いたい

Portal はモデルごとに適したバックエンドへ振り分けており、OpenRouter を通るものもあれば、独自の提供元や二次的な提供元を通るものもあります。そのため OpenRouter で使えるモデルはたいてい利用できます。特定のモデルが /model に出てこない場合は、OpenRouter 形式の識別子をそのまま指定してみてください。

/model anthropic/claude-opus-4.6

本当に見当たらない場合は issue を立ててください。Portal のカタログを Hermes 側に出しているだけなので、抜けているときはたいてい振り分けの設定を直せば済みます。

Portal のアカウントに請求が上がってこない

まず hermes portal info を見てください。別のプロバイダーを使っている表示(using Nous as inference provider ではなく Model: currently openrouter)になっていれば、手元の設定がずれています。hermes model を実行して Nous Portal を選び直せば、次のリクエストから契約を通るようになります。

関連ページ

  • Tool Gateway — ゲートウェイの各ツール、ツールごとの設定、料金の詳細
  • 契約プロキシ — Portal の契約を Hermes 以外(ほかのエージェント、スクリプト、他社のクライアント)から使う
  • 音声モード — Portal の OpenAI TTS を使った音声での会話
  • AI プロバイダー — ほかの選択肢と比べたいときの、プロバイダー一覧
  • SSH 越しの OAuth — 遠隔のホストやブラウザしかない環境からログインする
  • プロファイル — ひとつの Portal ログインを複数の Hermes 設定で共有する