外部サービス連携
目次
Hermes Agent は、AI 推論、ツールサーバー、エディタでの作業、プログラムからの呼び出しなど、さまざまな外部システムとつながります。連携を足すほど、Hermes にできることと動かせる場所が広がります。
AI プロバイダーと経路制御
Hermes は複数の AI 推論プロバイダーに最初から対応しています。hermes model を使えば対話形式で設定でき、config.yaml に直接書くこともできます。
- AI プロバイダー — OpenRouter、Anthropic、OpenAI、Google、そして OpenAI 互換のエンドポイント全般です。画像認識・ストリーミング・ツール利用といった機能に対応しているかどうかを、Hermes がプロバイダーごとに自動で判別します。
- プロバイダーの経路制御 — OpenRouter へのリクエストを実際にどのプロバイダーが処理するかを細かく指定できます。並び替え、許可リスト、拒否リスト、優先順位の明示によって、費用・速度・品質のどれを取るかを調整できます。
- 予備のプロバイダー — 主に使うモデルでエラーが出たとき、控えの LLM プロバイダーへ自動的に切り替えます。メインのモデルの切り替えに加えて、画像認識・圧縮・Web 抽出といった補助処理だけを別に切り替えることもできます。
ツールサーバー(MCP)
- MCP サーバー — Model Context Protocol を使って、Hermes を外部のツールサーバーにつなぎます。GitHub、データベース、ファイルシステム、ブラウザ基盤、社内 API などのツールを、Hermes 用のツールを書かずに呼び出せます。stdio と SSE の両方の通信方式に対応し、サーバーごとのツールの絞り込みや、機能に応じたリソース・プロンプトの登録もできます。
Web 検索のバックエンド
web_search と web_extract の 2 つのツールは 8 種類のバックエンドに対応していて、config.yaml か hermes tools で設定します。
| バックエンド | 環境変数 | 検索 | 抽出 | クロール |
|---|---|---|---|---|
| Firecrawl(既定) | FIRECRAWL_API_KEY |
✔ | ✔ | ✔ |
| SearXNG | SEARXNG_URL |
✔ | — | — |
| Brave(無料枠) | BRAVE_SEARCH_API_KEY |
✔ | — | — |
| DuckDuckGo(ddgs) | _(不要)_ | ✔ | — | — |
| Exa | EXA_API_KEY |
✔ | ✔ | — |
| Parallel | PARALLEL_API_KEY |
✔ | ✔ | — |
| xAI | XAI_API_KEY |
✔ | — | — |
設定の例です。
web:
backend: firecrawl # firecrawl | searxng | brave-free | ddgs | tavily | perplexity | keenable | exa | parallel | xaiweb.backend を書かなかった場合は、用意されている API キーからバックエンドを自動で判別します。自分で立てた Firecrawl も FIRECRAWL_API_URL で使えます。
ブラウザ操作
Hermes にはブラウザを操作する機能が一式そろっていて、サイトの閲覧・フォームの入力・情報の取り出しを、次のいずれかの方式で行えます。
- Browser Use Cloud — 検出されにくい設定の Chromium を提供するサービスです。住宅用プロキシ、CAPTCHA の突破、使い回せるブラウザプロファイルが付きます
- Browserbase — もう 1 つのクラウドブラウザです。管理されたブラウザ、ボット検出対策、CAPTCHA の突破、住宅用プロキシがそろっています
- 手元の Chromium 系ブラウザ(CDP 接続) — いま動かしている Chrome、Brave、Chromium、Edge に
/browser connectでつなぎます - 手元の Chromium —
agent-browserコマンドで画面を出さずに動かします
設定と使い方は ブラウザ操作 を見てください。
音声と読み上げのプロバイダー
読み上げ(TTS)と文字起こし(STT)は、すべてのメッセージングサービスで使えます。
| プロバイダー | 品質 | 費用 | API キー |
|---|---|---|---|
| Edge TTS(既定) | 良好 | 無料 | 不要 |
| ElevenLabs | 非常に良い | 有料 | ELEVENLABS_API_KEY |
| OpenAI TTS | 良好 | 有料 | VOICE_TOOLS_OPENAI_KEY |
| MiniMax | 良好 | 有料 | MINIMAX_API_KEY |
| xAI TTS | 良好 | 有料 | XAI_API_KEY |
| NeuTTS | 良好 | 無料 | 不要 |
文字起こしは 8 つのプロバイダーに対応しています。手元で動く faster-whisper(無料・端末内で処理)、任意のコマンドを呼び出す方式、Groq、OpenAI Whisper API、Mistral、xAI、ElevenLabs Scribe、DeepInfra です。音声メッセージの文字起こしは Telegram、Discord、WhatsApp などのメッセージングサービスで使えます。詳しくは 音声と読み上げ と 音声モード を見てください。
エディタとの連携
- エディタ連携(ACP) — VS Code、Zed、JetBrains など ACP に対応したエディタの中で Hermes Agent を使えます。Hermes が ACP サーバーとして動き、会話のやりとり、ツールの実行状況、ファイルの差分、ターミナルのコマンドをエディタ内に表示します。
プログラムからの利用
- API サーバー — Hermes を OpenAI 互換の HTTP エンドポイントとして公開します。OpenAI の形式を扱えるフロントエンド(Open WebUI、LobeChat、LibreChat、NextChat、ChatBox)なら、そのまま接続して Hermes を全ツール付きのバックエンドとして使えます。
記憶と個人向けの調整
- 組み込みのメモリ —
MEMORY.mdとUSER.mdに、選び抜いた内容を残していく仕組みです。エージェントが個人的なメモと利用者の情報を上限付きで管理し、セッションをまたいで持ち越します。 - メモリのプロバイダー — 外部の記憶サービスをつないで、より深く個人に合わせられます。Hermes に同梱されているのは 2 つで、RetainDB(ハイブリッド検索)と ByteRover(コマンド方式)です。Honcho(対話的な推論)、Hindsight(知識グラフ)、Supermemory(意味による想起)、Mem0(クラウドでの抽出)、OpenViking(段階的な検索)、Holographic(手元の SQLite)は、プラグインカタログから
hermes plugins install <name>で入れられます。
メッセージングサービス
Hermes は 27 以上のメッセージングサービスでボットとして動きます。設定はすべて同じ gateway の仕組みで行います。
- Telegram, Discord, Slack, WhatsApp, Signal, Matrix, Mattermost, メール, SMS, DingTalk, Feishu/Lark, WeCom, WeCom コールバック, Weixin, BlueBubbles, Buzz, QQ Bot, Yuanbao, Home Assistant (プラグイン), Microsoft Teams, Microsoft Teams 会議, Microsoft Graph Webhook, Google Chat, LINE, ntfy, SimpleX, Open WebUI, Webhook
サービスごとの比較表と設定手順は メッセージングゲートウェイの概要 にまとめてあります。
作成画面への近道
主要なサービスには「ボットやアプリを作る」ための決まった URL があり、パラメータを付けると目的のフォームが開いた状態で始められるものもあります。管理画面を探し回らずに、ここから直接どうぞ。
| サービス | 直リンク | 開く画面 |
|---|---|---|
| Telegram | t.me/BotFather | BotFather とのチャットです。/newbot を送るとボットのトークンが発行されます |
| Discord | discord.com/developers/applications?new_application=true | 開発者ポータルが New Application のダイアログを開いた状態で表示されます |
| Slack | api.slack.com/apps?new_app=1 | Create New App のダイアログです。*From an app manifest* を選び、hermes slack manifest --agent-view が出力するマニフェストを貼り付けます |
| LINE | developers.line.biz/console | Messaging API のチャネルを作る LINE Developers Console です |
| Feishu/Lark | open.feishu.cn/app | 独自アプリを作る Feishu のオープンプラットフォーム管理画面です |
たどり着いたあとの手順は、サービスごとの設定ページで説明しています。
共同作業の場
- Buzz — Block が作った、Nostr をもとにした人とエージェントの共同作業スペースです。つなぎ方は 3 通りあります。Buzz Desktop が Hermes を ACP のランタイムとして起動する方法、
buzz-acpの中継ブリッジがサーバー側で Hermes の身元を持つ方法、そしてメッセージングの仕組みとして Buzz のチャンネルに参加し、Hermes のメモリ・スキル・承認・定期実行をそのまま使う方法です。概要ページで 3 つを比べています。
家電の操作
- Home Assistant — 4 つの専用ツール(
ha_list_entities、ha_get_state、ha_list_services、ha_call_service)でスマート家電を操作し、ゲートウェイ経由で状態の変化にリアルタイムで反応します。homeassistantというカタログのプラグインとして提供されます(hermes plugins install homeassistant)。HASS_TOKENを設定すると、そのツール一式が自動で有効になります。
プラグイン
- プラグインの仕組み — 本体のコードに手を入れずに、独自のツール・ライフサイクルのフック・コマンドを足せます。プラグインは
~/.hermes/plugins/、プロジェクト内の.hermes/plugins/、pip で入れたエントリポイントから読み込まれます。 - プラグインを作る — ツール・フック・コマンドを備えた Hermes のプラグインを、順を追って作っていく手引きです。
学習と評価
- 一括処理 — 何百件ものプロンプトに対してエージェントを並列で走らせ、ShareGPT 形式の実行記録を作ります。学習データの生成や評価に使えます。