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3 Statement Model

目次

Excel で IS/BS/CF が連動する財務ブックを作ります。

skill の情報

提供元 追加インストール型 — hermes skills install official/finance/3-statement-model で入れます
パス optional-skills/finance/3-statement-model
バージョン 1.0.0
作者 Anthropic(Nous Research が移植)
ライセンス Apache-2.0
対応プラットフォーム linux, macos, windows
タグ finance, three-statement, income-statement, balance-sheet, cash-flow, excel, openpyxl, modeling
関連 skill excel-author, pptx-author, dcf-model, lbo-model

参考: SKILL.md 全文

動作環境

この skill は ヘッドレスの openpyxl を前提にしています。つまり、ディスク上に .xlsx ファイルを書き出す形です。 セルの色づけ、数式、名前付き範囲、感度分析テーブルの書き方は excel-author skill の流儀に合わせてください。 納品前に再計算します: python /path/to/excel-author/scripts/recalc.py ./out/model.xlsx

3表連動モデルのテンプレート仕上げ

損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書が正しくつながった状態で、財務モデルのテンプレートを埋めて完成させます。

⚠️ 重要な原則 — テンプレートを埋める前に読んでください

べた書きではなく数式で(ここは譲れません):

  • 予測値のセル、繰越計算、他表とのリンク、小計は、すべて Excel の数式にします。計算済みの値を置いてはいけません
  • Python/openpyxl を使うときは、数式の文字列を書きます(ws["D15"] = "=D14*(1+Assumptions!$B$5)")。計算結果(ws["D15"] = 12500)ではありません
  • 数値をべた書きしてよいのは、(1) 実績値、(2) Assumptions タブに置く前提のドライバー、この2つだけです
  • Python で値を計算してセルに書き込もうとしていることに気づいたら、そこで止まってください。かわりに数式を書きます
  • 理由: シナリオを切り替えたり前提を変えたりしたときに、モデルが追従しなければ意味がありません。べた書きがあると、下流の整合チェックが軒並み黙って壊れます

利用者と一緒に、一段階ずつ確かめる:

  1. テンプレートの構造を把握したら → どのタブ・どの区画だと判断したかを見せ、セルに触る前に確認をとります
  2. 実績値を入れたら → 実績のブロックを見せ、値と期間が元データと合っているか確認をとります
  3. IS の予測を組んだら → 小計のチェックを走らせ、予測後の IS を見せ、確認をとってから BS に進みます
  4. BS を組んだら → 全期間について貸借一致(資産 = 負債 + 純資産)を見せ、確認をとってから CF に進みます
  5. CF を組んだら → 現金の突合(CF の期末現金 = BS の現金)を見せ、確認をとってから仕上げます
  6. モデルを最後まで一気に埋めて完成品として出すのはやめてください — 各表で区切り、途中経過を見せ、誤りを早い段階で拾います

書式 — 青とグレーの落ち着いた配色(テンプレートや利用者の指定がなければこれを既定にします)

色は最小限に。 セルの塗りは青とグレーだけにします。緑・黄・オレンジや複数のアクセント色は入れません。整ったモデルほど色を抑えています。

要素 塗り フォント
区画見出し(IS / BS / CF のタイトル) 濃い青 #1F4E79 白の太字
列見出し(FY2024A、FY2025E など) 淡い青 #D9E1F2 黒の太字
入力セル(実績値、前提のドライバー) 淡いグレー #F2F2F2 または白 #0000FF
数式セル
タブをまたぐリンク #008000
チェック行・重要な合計 中間の青 #BDD7EE 黒の太字

つまり青3色 + グレー1色 + 白です。 テンプレート側に独自の配色があれば、そちらに従ってください。

フォント色はそのセルが*何なのか*(入力か、数式か、リンクか)を示します。塗りの色は*どこにいるのか*(見出しか、データか、チェックか)を示します。

モデルの構成

テンプレートのタブ構成を見きわめる

テンプレートによってタブの名前の付け方も並べ方もまちまちです。埋め始める前に、全タブに目を通して構成をつかんでください。よくあるタブ名と、そこに入っている中身は次のとおりです。

よくあるタブ名 探すべき中身
IS, P&L, Income Statement 損益計算書
BS, Balance Sheet 貸借対照表
CF, CFS, Cash Flow キャッシュフロー計算書
WC, Working Capital 運転資本の明細
DA, D&A, Depreciation, PP&E 減価償却・償却の明細
Debt, Debt Schedule 有利子負債の明細
NOL, Tax, DTA 繰越欠損金の明細
Assumptions, Inputs, Drivers 前提のドライバーと入力値
Checks, Audit, Validation エラー検出用のダッシュボード

テンプレート確認のチェックリスト

  • テンプレートにどのタブがあるかを確認します(すべての明細がそろっているとは限りません)
  • 上の表にない、そのテンプレート独自のタブを書き留めます
  • タブ同士の依存関係を理解します(どの明細が主要な表に流れ込むか、など)
  • 各タブで、入力セルと数式セルがどこかを見つけます

テンプレートの構造を理解する

テンプレートを埋める前に、既存のレイアウトに慣れておきます。そうすればデータを正しい位置に入れられますし、数式を壊さずに済みます。

行の構造を見きわめる

  • 各タブの上部にあるモデルのタイトルを見つけます
  • 区画見出しと、その視覚的な区切り方を把握します
  • 単位の行($ millions、%、x など)を見つけます
  • 実績(Actuals)と見込み(Estimates)を分けている列見出しを確認します
  • 期間のラベル(FY2024A、FY2025E など)を確認します
  • 入力セルと数式セルを見分けます(たいていフォント色で区別されています)

列の構造を見きわめる

  • いちばん左の列にある項目名を確認します
  • 実績年度が予測年度より前に来ているか確かめます
  • 実績と予測を分けている罫線を把握します
  • 全タブで列の並び順がそろっているか確認します

名前付き範囲を扱う テンプレートでは、主要な入力と出力に名前付き範囲が使われていることがよくあります。データを入れる前に、次を確認してください。

  • テンプレートにある既存の名前付き範囲を見ます(Excel の 数式 → 名前の管理)
  • よくある名前付き範囲: 売上高の成長率、費用比率、主要なアウトプット(純利益、EBITDA、有利子負債合計、現金)、シナリオ切替セル
  • これらの名前付き範囲に流れ込むセルに入力するようにします

予測期間

  • テンプレートはたいてい、最終実績年度から5年先まで予測します
  • 実績(A)の列と予測(E)の列がはっきり分かれているか確かめます
  • 列が会計年度の表記(FY2024A、FY2025E など)になっているか確認します

マージン分析

注意: 以下のマージン分析は、利用者から求められた場合か、テンプレートが明示的に要求している場合にだけ行ってください。指示がなければこの節は飛ばします。

損益計算書(IS)タブで収益性のマージンを計算して表示し、事業の効率を追えるようにします。同業他社との比較にも使えます。

入れておきたい基本のマージン

マージン 計算式 何を測るか
売上総利益率 売上総利益 / 売上高 価格支配力、生産効率
EBITDA マージン EBITDA / 売上高 本業の収益性
EBIT マージン EBIT / 売上高 D&A 控除後の営業収益性
純利益率 純利益 / 売上高 最終的な収益性

マージンを含めた損益計算書のレイアウト

各利益項目のすぐ下に、マージンの%を表示します。

  • 売上総利益の下に 売上総利益率 %
  • EBIT の下に EBIT マージン %
  • EBITDA の下に EBITDA マージン %
  • 純利益の下に 純利益率 %

信用指標

注意: 以下の信用分析は、利用者から求められた場合か、テンプレートが明示的に要求している場合にだけ行ってください。指示がなければこの節は飛ばします。

貸借対照表(BS)タブで信用・レバレッジの指標を計算して表示し、財務の健全性、借入余力、コベナンツの遵守状況を見られるようにします。

入れておきたい基本の信用指標

指標 計算式 何を測るか
有利子負債 / EBITDA 有利子負債合計 / LTM EBITDA レバレッジ倍率
純有利子負債 / EBITDA (有利子負債合計 - 現金) / LTM EBITDA 現金控除後のレバレッジ
インタレスト・カバレッジ EBITDA / 支払利息 利払いの余裕度
有利子負債 / 総資本 有利子負債合計 / (有利子負債合計 + 純資産) 資本構成
有利子負債 / 自己資本 有利子負債合計 / 純資産合計 財務レバレッジ
流動比率 流動資産 / 流動負債 短期の支払能力
当座比率 (流動資産 - 棚卸資産) / 流動負債 即座の支払能力

信用指標の大小関係チェック

強気ケースがいちばん良い信用状態になっているか確かめます。

  • レバレッジ: 強気 < 標準 < 弱気(低いほど良い)
  • カバレッジ: 強気 > 標準 > 弱気(高いほど良い)
  • 流動性: 強気 > 標準 > 弱気(高いほど良い)

コベナンツ遵守の確認

借入のコベナンツがわかっている場合は、実際の指標とコベナンツの基準値を比べる遵守チェックを明示的に追加します。

シナリオ分析(標準 / 強気 / 弱気)

Assumptions タブにシナリオ切替(ドロップダウン)を置き、CHOOSE か INDEX/MATCH の数式で切り替えます。

シナリオ 説明
標準ケース 会社ガイダンスまたは市場コンセンサス
強気ケース ガイダンスを上回る成長、マージン拡大
弱気ケース トレンドを下回る成長、マージン縮小

振らせる主なドライバー: 売上高成長率、売上総利益率、販管費比率、DSO/DIO/DPO、設備投資比率、金利、税率。

シナリオの監査チェック: 切替で全表が連動する、どのシナリオでも BS が一致する、現金が突合する、大小関係が保たれる(純利益・EBITDA・FCF・各マージンで 強気 > 標準 > 弱気)。

SEC 提出書類からのデータ抽出

テンプレートが SEC 提出書類(10-K、10-Q)からのデータ取得を明確に必要とする場合は、抽出の詳しい手順を references/sec-filings.md で確認してください。この参照が要るのは、規制当局への提出書類にある上場企業のデータでテンプレートを埋めるときだけです。

モデルのテンプレートを仕上げる

この節では、3表連動モデルのテンプレートを仕上げるときの一般的な進め方を扱います。既存の数式を保ったまま、データの整合性を守るのが目的です。

ステップ1: テンプレートの構造を分析する

データを入れる前に、テンプレートの組み立て方をひととおり確認します。

入力セルと数式セルを見分ける

  • 入力セルと数式セルを区別する見た目の手がかり(フォント色、セルの網掛け)を探します
  • よくある慣習: 青い文字 = 入力、黒い文字 = 数式、緑の文字 = 他シートへのリンク
  • Excel のトレース機能(数式 → 参照元のトレース)でセル同士の関係をつかみます
  • 主要な入力を制御している名前付き範囲がないか確認します(数式 → 名前の管理)

テンプレートの流れを地図にする

  • どのタブがどのタブに流れ込むかを把握します(Assumptions → IS → BS → CF など)
  • 補助明細と、主要な表とのつながりを書き留めます
  • 埋め始める前に、そのテンプレート固有の項目と構造を記録しておきます

ステップ2: 数式を壊さずにデータを入れる

データ入力の鉄則

ルール 説明
入力セルだけを編集する 数式が入ったセルは、意図して数式ごと差し替える場合を除いて上書きしません
セル参照を保つ データを貼り付けるときは値貼り付け(Ctrl+Shift+V)を使い、元の書式ごと数式を上書きしないようにします
テンプレートの単位に合わせる データを入れる前に、千単位か百万単位か実額かを確かめます
符号の慣習に従う テンプレートの既存の符号の付け方に合わせます(費用を正で入れるか負で入れるか、など)
循環参照を確認する テンプレートが反復計算を使っている場合は、反復計算を有効にしておきます

安全なデータ入力の手順

  1. 入力用に指定されているセルを正確に特定します(たいてい強調されているか、ラベルが付いています)
  2. まず実績データを入れ、その期間で数式が正しく計算されているか確かめます
  3. 予測計算に流れ込む前提のドライバーを入れます
  4. 計算結果を見て、数式が意図どおり動いているか確認します
  5. 数式セルをどうしても直す必要があるときは、変更前に元の数式を記録しておきます

もともと入っている数式の扱い

  • まだ埋めていないセルを参照している数式は、入力がそろうまで一時的にエラー(#REF!、#DIV/0!)になります。想定内です
  • 数式が予想外の結果を返したら、参照元をたどって足りない入力や誤った入力を探します
  • 全タブにわたる数式の依存関係を確認せずに、行や列を削除してはいけません

ステップ3: 数式を検証する

数式の健全性チェック

テンプレートの出力を信頼する前に、数式がきちんと動いているか検証します。

チェックの種類 やり方
参照元のトレース 数式セルを選び 数式 → 参照元のトレース で、正しい入力を参照しているか確かめます
参照先のトレース 主要な入力が想定どおりの出力セルに流れているか確かめます
数式の検証 数式 → 数式の検証 で、複雑な計算を一歩ずつたどります
べた書きの確認 予測の数式は前提を参照しているべきで、数値がべた書きされていてはいけません
既知の値でテストする 単純なテスト値を入れて、数式が想定どおりの結果を出すか確かめます
タブ間の一貫性 同じ数式のロジックが、すべての予測期間に適用されているか確かめます

よくある数式のつまずき

  • 絶対参照と相対参照が混在していて、期間方向にコピーすると結果がずれる
  • 外部ファイルへのリンク切れや削除された範囲(#REF! エラー)
  • 売上が立ち上がる前の初期の期間でゼロ除算になる(#DIV/0! エラー)
  • 循環参照の警告(利息計算のために意図的な場合もあります)
  • 予測列ごとに数式がばらついている(Ctrl+\ で差分を探せます)

タブをまたぐリンクを検証する

  • 複数のタブに出てくる値が、二重入力ではなくリンクになっているか確かめます
  • 明細の合計が、主要な表の対応する項目と一致するか確かめます
  • 期間のラベルが全タブでそろっているか確認します

ステップ4: シートごとの品質チェック

テンプレートを埋めたあと、各シートで次の検証を行います。

損益計算書(IS)の品質チェック

  • 実績期間の売上高が元データと一致している
  • 費用項目の合計が報告値と合っている
  • 小計(売上総利益、EBIT、税引前利益、純利益)が正しく計算されている
  • 税金の計算ロジックが妥当である(欠損の扱いが正しい)
  • 予測のドライバーが Assumptions タブを参照している(べた書きがない)
  • 前期比の変化が方向として妥当である

貸借対照表(BS)の品質チェック

  • どの期間でも 資産 = 負債 + 純資産 になっている(最重要のチェック)
  • 現金残高がキャッシュフロー計算書の期末現金と一致している
  • 運転資本の各勘定が補助明細と合っている(該当する場合)
  • 利益剰余金が正しく繰り越されている: 期首剰余金 + 純利益 - 配当 ± 調整 = 期末剰余金
  • 有利子負債の残高が有利子負債明細と合っている(該当する場合)
  • 貸借対照表の各項目の符号が妥当である(資産は正、負債もおおむね正)

キャッシュフロー計算書(CF)の品質チェック

  • 営業CF の先頭にある純利益が、損益計算書の純利益と一致している
  • 非現金項目の足し戻し(D&A、株式報酬費用など)が、元の明細・表と合っている
  • 運転資本の増減の符号が正しい(資産の増加 = 資金の使用 = マイナス)
  • 設備投資が PP&E 明細または固定資産の繰越計算と合っている
  • 財務活動が、BS の有利子負債・純資産の増減と合っている
  • 期末現金が貸借対照表の現金と一致している
  • 期首現金が前期の期末現金と等しい

補助明細の品質チェック

  • 期首残高が前期の期末残高と等しい
  • 繰越計算のロジックが欠けていない(期首 + 増加 - 減少 = 期末)
  • 明細の合計が主要な表の項目と合っている
  • 計算に使った前提が Assumptions タブと一致している

ステップ5: 表をまたいだ整合チェック

各シートを検証したら、3つの表がきちんと連動しているか確かめます。

チェック 計算式 期待される結果
貸借の一致 資産 - 負債 - 純資産 = 0
現金の突合 CF の期末現金 - BS の現金 = 0
純利益のリンク IS の純利益 - CF 冒頭の純利益 = 0
利益剰余金 期首剰余金 + 純利益 - 配当 - BS の期末剰余金 = 0(株式報酬費用などがあれば調整します)

ステップ6: 最終確認

モデルを完成とみなす前に、次を確認します。

  • シナリオがある場合は、すべて切り替えて各ケースでチェックが通るか確かめます
  • #REF!、#DIV/0!、#VALUE!、#NAME? のエラーをすべて見直し、解消するか、理由を記録します
  • 入力セルがすべて埋まっているか確認します(仮置きの値を検索します)
  • 単位が全タブでそろっているか確かめます
  • 追加の変更に入る前に、きれいな状態のファイルを保存しておきます

モデルの検証と監査

この節では、仕上がったテンプレートに対する検証チェックと監査手順をまとめます。

常に成り立つべき中核のリンク

数式の詳細は references/formulas.md にすべて載っています。

チェック 計算式 期待される結果
貸借の一致 資産 - 負債 - 純資産 = 0
現金の突合 CF の期末現金 - BS の現金 = 0
月次と年次の現金 期末現金(月次) - 期末現金(年次) = 0
純利益のリンク IS の純利益 - CF 冒頭の純利益 = 0
利益剰余金 期首剰余金 + 純利益 + 株式報酬費用 - 配当 - BS の期末剰余金 = 0
増資 Δ資本金・資本剰余金(BS) - 株式発行による収入(財務CF) = 0
初年度前の資本 調達した資本(Year 0) - 期首資本(Year 1) = 0

符号の慣習の早見表

項目 符号
営業CF D&A、株式報酬費用 正(足し戻し)
営業CF Δ売掛金(増加) 負(資金の使用)
営業CF Δ買掛金(増加) 正(資金の源泉)
投資CF 設備投資
財務CF 借入の実行
財務CF 借入の返済
財務CF 配当

循環参照の扱い

支払利息は循環を生みます: 利息 → 純利益 → 現金 → 借入残高 → 利息

Excel で反復計算を有効にします: ファイル → オプション → 数式 → 反復計算を行う。最大反復回数を 100、変化の最大値を 0.001 にします。Assumptions タブに循環を止めるための切替スイッチを置いてください。

チェックの区分

セクション1: 通貨の一貫性

  • 通貨が特定され、Assumptions に記録されている
  • 全タブで通貨記号と桁の単位がそろっている
  • 単位の行がモデルの通貨と一致している

セクション2: 貸借対照表の整合性

  • 資産 = 負債 + 純資産(各期間で)
  • 計算式: 資産 - 負債 - 純資産(0 でなければなりません)

セクション3: キャッシュフローの整合性

  • 現金が BS と合っている(CF の期末現金 = BS の現金)
  • 月次と年次の現金: 期末現金(月次) = 期末現金(年次)
  • 純利益が IS と合っている(CF の純利益 = IS の純利益)
  • D&A が明細と合っている
  • 株式報酬費用が IS と合っている
  • Δ売掛金、Δ棚卸資産、Δ買掛金が運転資本明細と合っている
  • 設備投資が減価償却明細と合っている

セクション4: 利益剰余金

  • 繰越チェック: 期首剰余金 + 純利益 + 株式報酬費用 - 配当 = 期末剰余金
  • 原因を追いやすいよう、内訳も表示します

セクション5: 運転資本

  • 売掛金、棚卸資産、買掛金が BS と合っている
  • DSO、DIO、DPO の妥当性チェック(通常の範囲から外れていたら印を付けます)

セクション6: 有利子負債の明細

  • 有利子負債合計が BS と合っている(短期 + 長期)
  • 利息の計算が IS と合っている

セクション6b: 増資

  • 株式発行による収入が、BS の資本金・資本剰余金の増加と合っている
  • 増資による現金の増加 = 資本勘定の増加(一致していなければなりません)
  • 増資の突合: Δ資本金・資本剰余金(BS) = 株式発行による収入(財務CF)(0 でなければなりません)
  • Year 0 の資本の突合: 調達した資本(Year 0) = 期首資本(Year 1)

セクション6c: 繰越欠損金の明細

  • 期首の繰越欠損金(Year 1 / 設立時) = 0(新設の事業は繰越欠損金ゼロから始まります)
  • 繰越欠損金が増えるのは税引前利益が < 0 のときだけ(欠損が実際に出て初めて生じます)
  • 繰延税金資産が BS と合っている(欠損金明細の繰延税金資産 = BS の繰延税金資産)
  • 繰越欠損金の使用額が税引前利益の 80% 以下(2017年以降の連邦税の制限)
  • 繰越欠損金の残高が負にならない(使えるのは残高までです)
  • 繰越欠損金が生じるのは税引前利益が < 0 のときだけ
  • 課税所得が 0 以下のとき、税金費用は 0

セクション7: シナリオの大小関係

  • 実額の指標: 強気 > 標準 > 弱気(純利益、EBITDA、FCF)
  • マージン: 強気 > 標準 > 弱気(売上総利益率%、EBITDA%、純利益率%)
  • 信用指標: レバレッジは 強気 < 標準 < 弱気(向きが逆になります)

セクション8: 数式の健全性

  • 売上原価、マーケティング費、一般管理費、研究開発費、株式報酬費用が売上高比率で動いている(べた書きがない)
  • 予測年度をまたいで数式がそろっている
  • #REF!、#DIV/0!、#VALUE! のエラーがない

セクション9: 信用指標の基準値

  • コベナンツの基準値をもとに、指標を緑・黄・赤で色分けします
  • 赤信号があればまとめて示します

総合チェックの数式

各セクションの状態をひとつの総合チェックに集約します。

  • すべて通っていれば → 「✓ ALL CHECKS PASS」
  • どこかで落ちていれば → 「✗ ERRORS DETECTED - REVIEW BELOW」

手早く原因を追う手順

総合ステータスにエラーが出ているときは、次のように進めます。

  1. 赤く色が付いたセクションまでスクロールして探します
  2. どのチェック区分で落ちているかを特定します
  3. 元になっているタブへ移動して調べます
  4. 根本の原因を直します
  5. Checks タブに戻り、解消したか確かめます

データの取得先 — まず MCP、なければ Web

以下の記述には「S&P Kensho MCP / Daloopa MCP / FactSet MCP を使う」という箇所が多く出てきます。これらは元の Cowork プラグインの文脈にあった商用の金融データ MCP です。Hermes では次のように扱ってください。

  • 構造化された金融データの MCP を設定してあるなら(Hermes は MCP に対応しています。native-mcp skill を参照)、時点比較、過去の取引事例、提出書類の取得にはそちらを優先します。
  • そうでなければ、次の順で代替します。
    • 米国の提出書類は web_search / web_extract で SEC EDGAR(https://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar)を当たります
    • プレスリリースや決算資料は企業の IR ページを見ます
    • 対話型のデータポータルには browser_navigate を使います
    • 利用者から提供されたデータを使います(文脈にない場合は、はっきり尋ねてください)
  • 決して作り話をしないでください。倍率、過去事例、提出書類の数値の出所を示せないときは、そのセルを [UNSOURCED] と印を付けて利用者に伝えます。

出典

この skill は Anthropic の Claude for Financial Services プラグイン群(Apache-2.0)を移植したものです。Office-JS / Cowork の Excel 直接操作の経路は取り除いてあり、この版は excel-author skill の流儀に沿ってヘッドレスの openpyxl を対象にしています。元の実装: https://github.com/anthropics/financial-services