Nous Portal で Hermes Agent を動かす
目次
- 前提
- 1. 契約する
- 2. 一発で終わるセットアップを実行する
- サーバーに SSH でつないでいる場合は?
- 3. うまくいったか確かめる
- 4. 最初の会話をしてみる
- 5. 本当に使いたいモデルを選ぶ
- エージェントの仕事に Hermes-4 は選ばないこと
- 6.(任意)Tool Gateway の経路を調整する
- 7.(任意)音声モードを有効にする
- 8.(任意)定期実行と常時稼働の使い方
- プロフィールと複数人での利用
- 困ったときは
- hermes setup --portal のあとで hermes portal info が「not logged in」と出る
- 「using Nous as inference provider」ではなく「Model: currently openrouter」(あるいは別のプロバイダー)と出る
- Tool Gateway のツールが「via Nous Portal」ではなく提携先の名前になっている
- セッションの途中で「Re-authentication required」と出る
- 使いたいモデルが /model の選択画面に出てこない
- Portal のアカウントに利用分が計上されない
- 取り消してまっさらから始めたい
- 具体的な数字で見ると
- 関連ページ
このページでは、Nous Portal の契約で Hermes Agent を動かす手順を、申し込みからすべてのツールが正しい経路を通っていることの確認まで、順を追って説明します。Portal がそもそも何なのか、契約に何が含まれるのかという概要を知りたい場合は、Nous Portal 連携のページ を見てください。こちらは実際に手を動かすための台本です。
前提
- Hermes Agent がインストール済みであること(クイックスタート)
- 設定する端末で使えるウェブブラウザー(または SSH のポート転送。SSH 越しの OAuth を参照)
- 5 分ほどの時間
必要 ない ものもあります。OpenAI のキー、Anthropic のキー、Firecrawl のアカウント、FAL のアカウント、Browser Use のアカウント、その他ベンダーごとの認証情報はどれもいりません。それこそがこの仕組みの狙いです。
1. 契約する
portal.nousresearch.com/manage-subscription を開いて登録し、プランを選びます。
すでに契約済みなら、手順 2 へ進んでください。
2. 一発で終わるセットアップを実行する
hermes setup --portalこのコマンド 1 つで、次の 5 つが行われます。
- ブラウザーで portal.nousresearch.com を開き、OAuth でログインする
- 更新用トークンを
~/.hermes/auth.jsonに保存する ~/.hermes/config.yamlにmodel.provider: nousを設定する- 既定のエージェント向けモデルを選ぶ(
anthropic/claude-sonnet-4.6など) - ウェブ検索、画像生成、音声合成、ブラウザー操作のために Tool Gateway を有効にする
終わるとターミナルに戻り、そのまま会話を始められます。
サーバーに SSH でつないでいる場合は?
OAuth にはブラウザーが必要ですが、折り返しを受け取るループバックの口は Hermes が動いている側の端末で開きます。方法は 2 つあります。
# Option A: SSH port forwarding (preferred)
ssh -N -L 8642:127.0.0.1:8642 user@remote-host # in a local terminal
hermes setup --portal # on the remote, open the printed URL in your local browser
# Option B: device-code login (works from Cloud Shell, Codespaces, EC2 Instance Connect)
hermes auth add nous --type oauth
# Then re-run `hermes setup --portal` to wire the provider + gatewayProxyJump の多段接続、mosh / tmux、ControlMaster の落とし穴まで含めた詳しい手順は SSH 越し・リモートホストでの OAuth にあります。
3. うまくいったか確かめる
hermes portal infoこう表示されるはずです。
Nous Portal
───────────
Auth: ✓ logged in
Portal: https://portal.nousresearch.com
Model: ✓ using Nous as inference provider
Tool Gateway
────────────
Web search & extract via Nous Portal
Image generation via Nous Portal
Text-to-speech via Nous Portal
Browser automation via Nous Portalどこかの行が「via Nous Portal」以外になっていたり、認証の行が「not logged in」になっていたりする場合は、下の 困ったときは へ飛んでください。
4. 最初の会話をしてみる
hermes chatモデルと Tool Gateway の両方を使う内容を投げてみましょう。
Hey, search the web for "Hermes Agent release notes" and summarize the top 3 hits.Hermes が(ゲートウェイ経由で Firecrawl を使う)web_search を呼び出し、要約を返すはずです。検索が走って、返ってきた内容に筋が通っていれば完了です。Portal が端から端までつながっています。
5. 本当に使いたいモデルを選ぶ
hermes setup --portal の途中でもモデルを選べますが、この契約の値打ちはカタログ全体を使えることにあります。セッションの途中でも /model でいつでも切り替えられます。
/model anthropic/claude-sonnet-4.6 # best general-purpose agentic
/model openai/gpt-5.4 # strong reasoning + tool calling
/model google/gemini-2.5-pro # huge context window
/model deepseek/deepseek-v3.2 # cost-effective coder
/model anthropic/claude-opus-4.6 # heavyweight for hard problems選択画面を開いて眺めたい場合はこうします。
/model既定のモデルそのものを変えたい場合はこうします。
# in your terminal, outside any session
hermes config set model.default anthropic/claude-sonnet-4.6エージェントの仕事に Hermes-4 は選ばないこと
Hermes-4-70B と Hermes-4-405B は Portal で大幅に安く使えますが、これらは 会話・推論向けのモデル であって、ツール呼び出しに合わせて調整されたものではありません。何段階も続くエージェントの処理では苦戦します。会話や調査の用途では、エージェント以外のツールから 契約プロキシ を通して使ってください。Hermes Agent 自体には、上に挙げた最前線のエージェント向けモデルを使いましょう。
Portal 自身の 案内ページ にも同じ注意が書かれています。Hermes 側の意見ではなく、Nous の公式な案内です。
6.(任意)Tool Gateway の経路を調整する
ゲートウェイは全部まとめて有効・無効ではなく、ツールごとに選べます。すでに Browserbase のアカウントがあってそちらを使い続けたい、でもウェブ検索と画像生成は Nous を通したい、という使い方もできます。
hermes tools
# → Web search → "Nous Subscription" (recommended)
# → Image generation → "Nous Subscription" (recommended)
# → Browser → "Browserbase" (your existing key)
# → TTS → "Nous Subscription" (recommended)これらの行は、Nous Portal にログインする前から hermes tools に出てきます。ログインしていない状態で「Nous Subscription」を選んだ場合は、Hermes がその場で Portal のログインを走らせます(推論のプロバイダーや他のツールの設定はそのままです)。
組み合わせを確認するには次を実行します。
hermes portal toolsツールごとの経路が表示されます。契約を通しているものは via Nous Portal、自前のキーを使っているものは提携先の名前(browserbase、firecrawl など)になります。
7.(任意)音声モードを有効にする
Tool Gateway には OpenAI の音声合成が含まれているので、音声モード を OpenAI のキーなしで使えます。
hermes setup tts
# → pick "Nous Subscription" for TTS
# → pick a speech-to-text backend (local faster-whisper is free, no setup)あとはメッセージングのセッション(Telegram、Discord、Signal など)で音声メッセージを送れば、Hermes がそれを書き起こし、答えを返し、合成した音声で返事をします。すべて Portal の契約の中で動きます。
8.(任意)定期実行と常時稼働の使い方
Portal の契約は、定期実行のジョブ や まとめて処理する使い方 でも、対話的な会話とまったく同じように使えます。OAuth の更新用トークンが自動的に再利用されるためです。追加の設定はいりません。ジョブを登録すれば、その分は契約に対して計上されます。
hermes cron create "0 9 * * *" \
"Search the web for top AI news and summarize the 5 most important stories" \
--name "Daily AI news"このジョブは人が見ていなくても走り、モデルの呼び出しもウェブ検索も要約も、すべて Portal の契約を通して行われます。
プロフィールと複数人での利用
Hermes のプロフィール を使っている場合(プロジェクトごとに設定を分けているときなど)、Portal の更新用トークンは共有のトークン置き場を通じて、すべてのプロフィールで自動的に共有されます。どれか 1 つのプロフィールで一度サインインすれば、残りは自動で引き継ぎます。
複数の人が 1 台の端末を共有するチームでは、各自が自分の Portal アカウントを持ち、各自のホームディレクトリにそれぞれの ~/.hermes/auth.json があるので、利用者をまたいでトークンが共有されることはありません。これが正しい線の引き方です。
困ったときは
hermes setup --portal のあとで hermes portal info が「not logged in」と出る
OAuth の手続きが最後まで終わっていません。やり直します。
hermes portalブラウザーが開かない、または折り返しが失敗する場合は、リモートや画面のない端末で作業している可能性が高いです。ポート転送での回避方法は SSH 越しの OAuth にあります。
「using Nous as inference provider」ではなく「Model: currently openrouter」(あるいは別のプロバイダー)と出る
手元の設定がずれています。OAuth 自体は成功したものの、model.provider が別のプロバイダーを指したままです。こう直します。
hermes config set model.provider nous対話形式で直すならこうです。
hermes model
# pick Nous Portalhermes portal info でもう一度確認してください。
Tool Gateway のツールが「via Nous Portal」ではなく提携先の名前になっている
ツールごとの設定がゲートウェイより優先されています。次を実行します。
hermes tools
# pick "Nous Subscription" for any tool you want gateway-routedウェブは Nous に通しつつ、ブラウザーだけは自前の Browserbase のキーを使う、というように意図的に混ぜている人もいます。そのつもりならそのままで構いません。そうでなければ、このコマンドで直せます。
セッションの途中で「Re-authentication required」と出る
Portal の更新用トークンが無効になっています(パスワードの変更、手動での取り消し、期限切れなど)。Hermes がそのトークンを延々と送り続けないよう、手元では隔離された状態になっています。もう一度ログインするだけで直ります。
hermes auth add nousログインし直せば、隔離は自動的に解除されます。
使いたいモデルが /model の選択画面に出てこない
Portal のカタログは OpenRouter のモデル一覧(300 以上)に、独自のプロバイダーや二次的なプロバイダーが提供するモデルを加えたものです。目当てのモデルが見当たらない場合は、OpenRouter 形式の識別子を直接打ち込んでみてください。
/model anthropic/claude-opus-4.6
/model openai/o1-2025-12-17本当に提供されていない場合は、issue を立ててください。抜けのほとんどは、こちらで直せる経路の設定です。
Portal のアカウントに利用分が計上されない
hermes portal info を見れば、本当に Portal を通っているのか、別のプロバイダーを通っているのかが分かります。よくある原因はこれらです。
model.providerがnousではなくopenrouterやanthropicなどになっている- OAuth の更新に失敗して、別の設定済みプロバイダーに落ちている
- Hermes のプロフィールが複数あって、違うほうを使っている(
hermes profile listで確認してください)
取り消してまっさらから始めたい
hermes auth logout nous # wipes the local refresh token
# Then re-run setup or remove the subscription from the Portal web UI具体的な数字で見ると
| Portal を使わない場合 | Portal を使う場合 |
|---|---|
.env に OpenRouter / Anthropic / OpenAI のキーを 1 本 |
OAuth の更新用トークンを 1 つ。.env にキーは不要 |
| ウェブ用に Firecrawl のキーを 1 本 | ウェブはゲートウェイ経由 |
| 画像生成用に FAL のキーを 1 本 | 画像生成はゲートウェイ経由 |
| ブラウザー用に Browser Use / Browserbase のキーを 1 本 | ブラウザーはゲートウェイ経由 |
| 音声合成・音声モード用に OpenAI のキーを 1 本 | 音声合成はゲートウェイ経由 |
| 5 つの管理画面、5 回の入金、5 通の請求書 | 契約 1 つ、請求書 1 通 |
| 端末を増やすたびに 5 本のキーを複製 | 端末を増やしたら OAuth をもう一度するだけ |
これが取り引きの中身です。ここに挙げた基盤を 2 つ以上使っているなら、契約したほうが元は取れます。
関連ページ
- Nous Portal 連携のページ — 契約に何が含まれるかの概要
- Tool Gateway — ゲートウェイを通るツールすべての詳細
- 契約プロキシ — Portal の契約を Hermes 以外のツールから使う
- 音声モード — Portal の契約で音声の会話を設定する
- SSH 越しの OAuth — リモートや画面のない環境でのログイン方法
- プロフィール — 1 つの Portal ログインを複数の Hermes 設定で共有する