Songwriting And Ai Music
目次
作詞作曲の技法と、Suno の AI 音楽プロンプトを扱います。
skill の情報
| 提供元 | 最初から入っています |
| パス | skills/creative/songwriting-and-ai-music |
| バージョン | 1.0.0 |
| 作者 | Teknium (teknium1), Hermes Agent |
| ライセンス | MIT |
| 対応プラットフォーム | linux, macos, windows |
参考: SKILL.md 全文
作詞作曲と AI 音楽生成
ここに書いてあるものはすべて目安であって、規則ではありません。 芸術は意図して規則を破ります。曲のためになるものを使い、ならないものは無視してください。
1. 曲の構成(ひとつ選ぶか、自分で考える)
よくある骨組みです。混ぜても、変えても、捨ててもかまいません。
ABABCB Verse/Chorus/Verse/Chorus/Bridge/Chorus (most pop/rock)
AABA Verse/Verse/Bridge/Verse (refrain-based) (jazz standards, ballads)
ABAB Verse/Chorus alternating (simple, direct)
AAA Verse/Verse/Verse (strophic, no chorus) (folk, storytelling)6 つの構成要素です。
- Intro — 雰囲気を決め、聴き手を引き込む
- Verse — 物語、細部、世界のつくり込み
- Pre-Chorus — サビ前に緊張を高める、任意の助走
- Chorus — 感情の中心。人が覚えて帰る部分
- Bridge — 寄り道。視点や調の切り替え
- Outro — 別れの挨拶。ここまでを反響させても、裏切ってもよい
全部そろえる必要はありません。名曲のなかには、ひとつの部分が 変化していくだけのものもあります。構成は感情のためにあり、逆ではありません。
2. 韻、韻律、響き
韻の種類(きっちりした順から緩い順へ):
- 完全韻: lean/mean
- 近縁韻: crate/braid
- 母音韻: had/glass(母音は同じ、語尾は違う)
- 子音韻: scene/when(母音は違う、語尾が似ている)
- 半韻・ずらし韻: つながりを感じさせるだけで、固定はしない程度
これらを混ぜてください。完全韻ばかりだと童謡のように聞こえます。 ずらし韻ばかりだと手抜きに聞こえます。良さは混ぜ具合にあります。
行中韻: 行末だけでなく、行のなかで韻を踏むことです。 「We pruned the lies from bleeding trees / Distilled the storm from entropy」— "lies/flies"、"trees/entropy" が行の内側で響き合います。
韻律: 強い音節と弱い音節が作るリズムです。
- 対になる行どうしで音節数をそろえると、歌いやすくなります
- 合計の音節数より、強く読む音節のほうが重要です
- 声に出してください。つまずくなら韻律に手を入れる必要があります
- わざと韻律を崩すと、強調や意外性を作れます
3. 感情の起伏とダイナミクス
曲は平坦な道ではなく、旅だと考えてください。
エネルギーの配分(おおよその目安で、決まりではありません): Intro: 2-3 | Verse: 5-6 | Pre-Chorus: 7 Chorus: 8-9 | Bridge: varies | Final Chorus: 9-10
ダイナミクスでいちばん効くのはコントラストです。
- 叫び続けるより、ささやきのあとの叫びのほうが刺さります
- 密の前に疎を。速の前に遅を。高の前に低を。
- 落としが効くのは、その前に積み上げたからです
- 沈黙もひとつの楽器です
「ささやきから咆哮へ、そしてまたささやきへ」— 内輪な音量で始め、全力まで 積み上げ、最後は無防備なところまで削ぎ落とします。バラードにも、大作にも、 アンセムにも効きます。
4. 効く歌詞の書き方
語らずに見せる(たいていの場合):
- 「悲しかった」= 平板
- 「きみのパーカーがまだドアのフックに掛かっている」= 生きている
- ただし「この命をあげる」と言い切ることが力になる場合もあります
フック:
- 人が覚え、口ずさみ、繰り返す一行
- たいていはタイトルか、中心になる言い回し
- メロディー・歌詞・感情がそろったときにいちばん効きます
- いちばん刺さる場所に置きます(多くはサビの最初か最後の行)
プロソディ — 歌詞と音楽が互いを支えること:
- 安定した感情(解決、平穏)は、落ち着いたメロディー、完全韻、
解決したコードと合います
- 不安定な感情(憧れ、迷い)は、さまようメロディー、半韻、
解決しないコードと合います
- Verse のメロディーは低め、Chorus は高めが基本です
- ただし曲のためになるなら、逆にしてかまいません
避けること(意図してやる場合を除く):
- 惰性で使う決まり文句(積み上げのない「黄金の心」など)
- 韻に合わせるために語順をねじ曲げること(ヨーダ語)
- どの部分も同じ熱量にすること(起伏が消えます)
- 初稿を神聖視すること — 書き直しもまた創作です
5. 替え歌と翻案
既存の曲に新しい歌詞を付けるときは、こう進めます。
骨組み: まず原曲の構造を書き出します。
- 行ごとの音節数を数えます
- 韻の並び(ABAB、AABB など)を書き留めます
- どの音節を強く読むかを見分けます
- 伸ばす音がどこに来るかを控えておきます
新しい言葉のはめ方:
- 強く読む音節を、原曲と同じ拍に合わせます
- 合計の音節数は、弱い音節 1〜2 個分なら伸び縮みできます
- 長く伸ばす音では、原曲の母音に合わせるようにします
(原曲が「LOOOVE」を「oo」の母音で伸ばすなら、「LIFE」より 「FOOOD」のほうがはまります)
- 要所を 1 音節の語で置き換えると、リズムが崩れません
(Crime -> Code、Snake -> Noose)
- 新しい歌詞を原曲に乗せて歌ってください。つまずいたら直します
着想:
- 1 曲を通して持ちこたえるだけの強い着想を選びます
- タイトルやフックから始めて、外へ広げます
- まず材料(言葉遊び、言い回し、情景)を大量に出し、
そのあとで良いものを構造にはめ込みます
- 特定の一行をどこかに入れたいなら、韻の並びを逆算して
そこへ着地するように仕込みます
原曲を少し残す: 元の行や構造をいくらか残しておくと、原曲だと分かりやすくなり、 聴き手はつながりを感じられます。
6. Suno のプロンプト設計
スタイル/ジャンルの記述欄
型(必要に応じて崩してください): ジャンル + 雰囲気 + 年代 + 楽器 + 歌い方 + 音作り + ダイナミクス
BAD: "sad rock song"
GOOD: "Cinematic orchestral spy thriller, 1960s Cold War era, smoky
sultry female vocalist, big band jazz, brass section with
trumpets and french horns, sweeping strings, minor key,
vintage analog warmth"ジャンルだけでなく、曲の道のりを書いてください:
"Begins as a haunting whisper over sparse piano. Gradually layers
in muted brass. Builds through the chorus with full orchestra.
Second verse erupts with raw belting intensity. Outro strips back
to a lone piano and a fragile whisper fading to silence."コツ:
- V4.5 以降のスタイル欄は 1,000 字まで使えます。使い切ってください
- アーティスト名や商標は書きません。音そのものを説明します
「James Bond style」ではなく「1960s Cold War spy thriller brass」 「Nirvana-style」ではなく「90s grunge」
- BPM や調にこだわりがあるなら指定します
- 入れたくないものは Exclude Styles 欄に書きます
- 意外なジャンルの掛け合わせが当たることがあります:「bossa nova trap」
「Appalachian gothic」「chiptune jazz」
- 性別だけでなく、歌い手の人物像を作ります:
「A weathered torch singer with a smoky alto, slight rasp, who starts vulnerable and builds to devastating power」
メタタグ(歌詞欄のなかに [角括弧] で書きます)
構成: [Intro] [Verse] [Verse 1] [Pre-Chorus] [Chorus] [Post-Chorus] [Hook] [Bridge] [Interlude] [Instrumental] [Instrumental Break] [Guitar Solo] [Breakdown] [Build-up] [Outro] [Silence] [End]
歌い方: [Whispered] [Spoken Word] [Belted] [Falsetto] [Powerful] [Soulful] [Raspy] [Breathy] [Smooth] [Gritty] [Staccato] [Legato] [Vibrato] [Melismatic] [Harmonies] [Choir] [Harmonized Chorus]
ダイナミクス: [High Energy] [Low Energy] [Building Energy] [Explosive] [Emotional Climax] [Gradual swell] [Orchestral swell] [Quiet arrangement] [Falling tension] [Slow Down]
性別: [Female Vocals] [Male Vocals]
雰囲気: [Melancholic] [Euphoric] [Nostalgic] [Aggressive] [Dreamy] [Intimate] [Dark Atmosphere]
効果音: [Vinyl Crackle] [Rain] [Applause] [Static] [Thunder]
タグはスタイル欄と歌詞欄の両方に書いて念を押します。 1 セクションあたり 5〜8 個までにしてください。多すぎると AI が混乱します。 矛盾させないでください(同じセクションに [Calm] と [Aggressive] を入れるなど)。
カスタムモード
- 本気で作るときは必ずカスタムモードを使います(スタイル欄と歌詞欄が分かれます)
- 歌詞欄の上限は約 3,000 字(およそ 40〜60 行)です
- 構成タグは必ず入れてください。ないと Suno は起伏のない
Verse/Chorus/Verse を既定で出してきます
7. AI 歌手向けの発音の小技
AI の歌手は文字を読むのではなく、発音します。手助けしてください。
音に合わせたつづり直し:
- 聞こえたとおりにつづります:「through」-> 「thru」
- 固有名詞がいちばん失敗しやすいので、早めに試してください
- 「Nous」->「Noose」(正しい発音を強制できます)
- 音節を導くためにハイフンを入れます:「Re-search」「bio-engineering」
歌わせ方の指定:
- 全部大文字 = より大きく、強く
- 母音を伸ばす:「lo-o-o-ove」= ロングトーン/メリスマ
- 三点リーダー:「I... need... you」= ためを作る
- ハイフンで伸ばす:「ne-e-ed」= 感情を込めて引き伸ばす
必ず守ること:
- 数字は言葉で書きます:「24/7」->「twenty four seven」
- 頭字語は離します:「AI」->「A I」または「A-I」
- 固有名詞や珍しい語は、まず 30 秒の短いクリップで試します
- いったん生成すると発音は固定されます。先に歌詞側で直してください
8. 作業の流れ
- まず着想とフックを書く — 感情の中心は何か
- 翻案なら、原曲の構造(音節、韻、強勢)を書き出す
- 材料を出す — 構造にはめる前に自由に思いつくままに
- 構造に沿って歌詞を書く
- 声に出して読む・歌う — つまずきを見つけて韻律を直す
- Suno のスタイル欄を書く — 起伏の道のりを描く
- 歌わせ方を指定するメタタグを歌詞に入れる
- 最低でも 3〜5 通り生成する — レコーディングのテイクだと思ってください
- いちばん良いものを選び、Extend/Continue で良い部分を伸ばす
- 偶然良いものが生まれたら、そのまま残す
見込み: 良い結果 1 つにつき生成 3〜5 回くらいです。やり直しは普通のことです。 Extend するとスタイルがずれることがあるので、そのつどジャンルと雰囲気を書き直してください。
9. 分かってきたこと
- スタイル欄に起伏の道のりを書くことは、ジャンルを並べることより
はるかに効きます。「ささやきから咆哮へ、そしてまたささやきへ」は Suno に演奏の地図を渡すことになります。
- 替え歌で元の行をいくらか残すと、原曲だと分かりやすくなり、
感情の重みも増します。聴き手は原曲の影を感じ取ります。
- 曲の Bridge は、イメージを変身させられる場所です。
感情の役割(内省、転換、気づき)を保ったまま、原曲の具体的な言及を 自分のテーマの比喩に入れ替えてください。
- フックやタグでの 1 音節の入れ替えは、リズムを保ったまま意味を
変えるいちばんきれいな手です。
- スタイル欄に書く歌い手の人物像は、どのメタタグ 1 個よりも
大きな違いを生みます。
- 規則にこだわりすぎないでください。韻律を崩す一行のほうが刺さるなら、
そのまま残します。大事なのは伝わる感情です。技法は芸術のためにあり、 逆ではありません。
10. ローカル/オープンソースでの音楽生成
Suno の代わりに手元の GPU で生成したい場合は、任意で導入できる skill が 2 つあります(依存関係が重いので、最初からは入っていません)。
- heartmula — 歌詞とタグからボーカル入りの曲を丸ごと作ります
(オープンソースの Suno 代替。VRAM 8〜16GB): hermes skills install official/creative/heartmula
- audiocraft — Meta の MusicGen(テキストから器楽曲)と
AudioGen(効果音)です: hermes skills install official/creative/audiocraft-audio-generation
この skill にある作詞とプロンプトの技法は heartmula にもそのまま使えます。 入力の形式は、角括弧の構成タグを添えた歌詞と、カンマ区切りのスタイルタグです。